事業主の方:粗利率が高い方がもうかっているってことだよね?だから高い方がいいよね?
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
・粗利率とは
・粗利率が高いと儲かるの?
公認会計士・税理士のみつざねが解説します。
結論を先にお伝えしておくと、粗利率が高いからといって儲かるとは限りません。
粗利率とは
粗利率はここでは売上総利益率のこととして説明しています。
粗利率(売上総利益率)は以下の式で計算します。
売上総利益率=(売上ー売上原価)÷売上高×100
粗利率は、売上から売上原価を引いた利益が売上に占める割合を表しています。
粗利率が高いと儲かるの?
粗利率は高い方がいいですが、高いから儲かっているかどうかは、話が変わってきます。
例えば、製造業の場合、製造に関係している人件費は売上原価に含まれますが、飲食店業の人件費は通常、販売費及び一般管理費に含まれています。
分かりやすくするために、かなり恣意的な数字にしていますので、ざっくりと雰囲気を見て下さい。
業種 | 製造業 | 飲食店業 |
①売上高 | 1,000 | 1,000 |
②売上原価 | 750 | 400 |
③=①ー② 粗利益(売上総利益) | 250 | 600 |
④販売費及び一般管理費(人件費、家賃など) | 150 | 550 |
⑤=③ー④ 営業利益 | 100 | 50 |
製造業の粗利率は25%なのに対して、飲食店業は60%です。
なので、飲食店業の方が良さそうです。
ですが、人件費などの販売費及び一般管理費が飲食店業の方が多いため営業利益は少ないという結果です。
粗利率は業種によって全然ちがうので、他業種で比較してもあまり意味はなく、前年度からの増減や同業他社との比較で自社が儲かっているのか儲かっていないのかを判断するために利用するのが有効です。
他業種と比較したいなら営業利益率をみる
他業種との比較に使う場合には、営業利益率がおすすめです。
営業利益率は以下の式で出せます。
営業利益率=営業利益÷売上高×100
営業利益は売上原価や販売費及び一般管理費といった営業活動から生じる費用を全て引いた本業からのもうけを示してくれます。
なので、営業利益率をみることで他業種と比較してどの程度収益性が高いのかを見ることができます。
まとめ
粗利率が高ければそれだけ、販売費及び一般管理費などの人件費や家賃をまかなう力が高いということなので、儲かる要素は秘めています。
ですが、それ以上に販売費及び一般管理費などの人件費や家賃がかかりすぎてしまうと儲けはでませんので、それだけで儲かる事業がどうかを判断することはできないので注意しましょう。