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インボイス制度

インボイス制度が始まると、クレジットカード明細は利用できない!?

2022年7月26日

悩んでいる人

・インボイス制度が始まるとクレジットカード明細ってどうなるの?

・利用できなくなるの?

・利用できなくなったらどうすればいいんだろ?

光實

こんにちは、公認会計士・税理士の光實(みつざね)です。

こんな悩みを解決できる記事を用意しました。

 

 

記事前半ではクレジットカード明細の利用がどうなるかについて、後半ではインボイス制度に向けた対策を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!

 

インボイス制度が始まるとクレジットカード明細は利用できない?

結論から先にお伝えすると、インボイス制度では、クレジットカード明細は、請求書や領収書として認められません。

インボイス制度は消費税のお話なので、ここでは、消費税の話を前提としています。

以下で、もう少し掘り下げますね。

 

そもそも現状でもクレジットカード明細は請求書等ではない

そもそも論のお話ですが、インボイス制度がまだ始まっていない現時点でもクレジットカード明細は、国税庁の見解(カード会社からの請求明細書)では、請求書等として認められていません。

簡単に説明すると、クレジットカード明細は、クレジットカード会社が作成して、利用者へ交付しているものです。

消費税法上は、買い物をしたお店が発行したものが、請求書等としています。

クレジットカード明細はお店が発行したものではないので、請求書等ではないよというはなしです。

 

例外的に3万円未満については、請求書はいらない

ただ、例外がありまして、現状は3万円未満の取引については、帳簿保存のみを認めています。(消費税法施行令49条1項)

要するに、請求書がなくてもいいよということです。

なので実務上は、ETCなどの高速道路料金を利用した場合や、その他水道光熱費、新聞購読料などについての少額のクレジットカード取引は、カード明細などを帳簿の補足資料として利用しているケースもあると思います。

 

30,000円未満の領収書の特例はなくなる?

今までは、例外規定があったので、クレジットカード明細は、消費税法上の請求書等ではないけれど、帳簿保存の補助資料として活用されていました。

ただ、インボイス制度が始まると、この規定は廃止されます。

なので、原則として、請求書等と帳簿の保存が必要になります。

 

インボイス制度における請求書等とは?

インボイス制度が始まった場合、消費税の仕入税額控除を受けるためには、適格請求書というものが必要になります。

適格請求書は消費税の課税事業者が申請し、登録番号を付与されることで発行できるようになります。

適格請求書の内容としては、今までの請求書や領収書とほとんど同じですが、適格請求書発行事業者ごとに付与される登録番号などが追加されています。

 

適格請求書記載事項

①発行事業者の氏名は又は名称
登録番号(インボイス制度登録事業者に付される番号)
③取引年月日
④取引内容
⑤税率ごとに区分して合計した対価の額及び適用税率
税率ごとに区分した消費税額等
⑦書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称(省略できる場合あり)

 

 

クレジットカードを利用する場合のインボイス制度対策

今まで利用できていた、クレジットカード明細がインボイス制度が始まると利用できないとなると、じゃあどうすればいいの?と思いますよね。

なので、その対策についても触れておきたいと思います。

 

ETC取引やWEBで完結する取引

ETCでの取引や、WEB上で完結してしまう取引の場合は、WEB上で領収書に変わるものを発行できるようになると思いますので、これらを保存しておきましょう。

今まで、クレジットカード明細を利用していたことからするとかなり手間が増える部分となりますので、注意したい所です。

 

現地でクレジットカードを利用する場合

現地でクレジットカード払いをする場合、現金などでの支払いと同様に、領収書の発行またはレシート(ご利用明細など)を受領して保存しておきましょう。

 

一部は帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるものもある

原則としては、適格請求書等と帳簿保存が仕入税額控除の要件ですが、一部例外があります。

公共交通機関である、船舶、バス又は鉄道による旅客の運送、自動販売機などの取引で3万円未満のものは、帳簿のみの保存で仕入税額控除を認めています。

なので、これらの取引については、今まで同様にクレジットカード明細などを補助資料として利用するケースがあると思います。

上記以外にも帳簿保存を認めているケースがありますが、ここでは、クレジットカード取引に関係が深いもののみを記載しています。

帳簿保存のみで適格請求書がなくても、仕入税額控除が認められる場合の詳細は、下記を参考にしてください。

適格請求書交付義務免除
適格請求書の交付義務が免除されるケースをわかりやすく解説します!

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日本税理士会連合会が3万円未満取引について提案

日本税理士会連合会が令和4年5月に今までと同様に3万円未満の取引について、帳簿保存のみで仕入税額控除を認めるように提案書を同会ホームページで公表しています。( https://www.nichizeiren.or.jp/whats-new/20220606a/

制度が変わるかどうかは分かりませんが、変わってくれると手間が減ってメリットは大きいと思います。

 

まとめ

まとめます。

ポイント

・インボイス前 クレジットカード明細は3万円未満取引は利用可 ⇒インボイス後 クレジットカード明細は原則利用不可

・ETC取引やWEB完結取引などのクレジットカード取引は、請求書や領収書を保存しておく必要があり手間が増える

・公共交通機関や自動販売機での取引で3万円未満のものは、今まで同様にクレジットカード明細の利用可

今後日本税理士会連合会などの提案により制度が変更される可能性もあるので、インボイス制度が始まるまでに新情報はキャッチできるようにしていきましょう。

当ブログを追って頂いても新しい情報が出れば記事にするようにしますので、参考にしてみてください。

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