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インボイス制度

適格請求書の交付義務が免除されるケースをわかりやすく解説します!

2022年7月28日

光實

こんにちは、公認会計士・税理士の光實(みつざね)です。

こんな悩みを解決できる記事を用意しました!

 

記事前半では適格請求書の交付義務が免除されるケースについて、後半では免税事業者はどうなるかについて解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!

 

目次

適格請求書(インボイス)の交付義務とは

令和5年10月1日からインボイス制度が始まります。

インボイス制度が始まると、仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿の保存と適格請求書等(以下、インボイス)の保存が必要になります。

インボイスは、課税事業者のうち税務署へ登録申請をした事業者が、適格請求書発行事業者として登録されます。

適格請求書発行事業者については、取引の相手方の求めに応じ、インボイスを発行する義務があります。

 

適格請求書(インボイス)の交付義務が免除されるケース

適格請求書発行事業者は、インボイスを発行する義務があるんですが、一部例外がありまして。

交付義務が免除されている取引もあります。

簡単に言うと、インボイスを発行しなくていいですよという取引ですね。

以下の取引は交付義務が免除されています。

①公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送のうち3万円未満のもの

②出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡で、出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うもの

③生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡で、無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うもの

④自動販売機・自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等のうち3万円未満のもの

⑤郵便切手を対価とする郵便サービスのうち郵便ポストに差し出されたもの

 

以下順番に解説します。

 

①公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送のうち3万円未満のもの

Suicaなどはチャージしたときには、消費税がかかりませんが、使ったときに消費税がかかります。

使うごとにインボイスを発行するのは、現実的ではありませんよね。

また、切符を買う場合も通常領収書は出ませんし、目的地に着いた時に切符も回収されてしまいます。

 

②出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡で、出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うもの

売主は出荷者ですが、直接販売しているわけではないので、売った先に都度インボイスを発行することは難しいですよね。

 

③生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡で、無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うもの

この場合、農協などは、生産者から集めた農産物をサイズ・品質・規格を選別して販売するため、買い手からしてみれば、売り手を特定することが困難になります。

 

④自動販売機・自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等のうち3万円未満のもの

自動販売機はそもそも領収書が出るようになってないですよね。

インボイス制度のために、わざわざ自動販売機にインボイス機能を搭載させるのは現実的ではありません。

 

⑤郵便切手を対価とする郵便サービスのうち郵便ポストに差し出されたもの

郵便切手も切手を購入した段階では消費税がかかりません。

使用したときに消費税がかかりますが、そのタイミングでインボイスを発行することは難しいですよね。

郵便局で郵便切手を購入してそのまま出す場合は、インボイス発行ができますので、郵便ポストに差し出されたものに限定されています。

 

①から⑤について、簡単に解説してみましたが、どれもインボイス発行することが難しいものばかりです。

そのため、これらの取引については、交付義務が免除されています。

 

免税事業者はどうなるの?

さきほどは、インボイスを発行しなくていいケースを説明しましたが、免税事業者はどうなるんだろう?

という疑問もあると思います。

結論からいうと、免税事業者はインボイスを発行できません。

インボイスの発行を免除されているのは、課税事業者であり適格請求書発行事業者です。

原則としては、取引先の求めに応じて発行する義務があるけど、例外として発行しなくてもいいですよという話しです。

免税事業者は適格請求書発行事業者になれないので、そもそもインボイスを発行したくてもできません。

なので、取引の相手方からすると、免税事業者と取引をしても消費税の仕入税額控除がとれなくなります。

 

免税事業者の経過措置

ただ、それだとあまりにも免税事業者が不利益を被る可能性があるので、経過措置を認めています。

インボイス制度が始まる令和5年10月1日から3年間は80%の控除を認め、そこからさらに3年間は50%の控除を認めています。

 

期間  割合
令和5年10月1日から令和8年9月30日まで 仕入税額控除相当額の80%
令和8年10月1日から令和11年9月30日まで 仕入税額控除相当額の50%

 

この場合、免税事業者と取引をした方は、帳簿に80%控除又は50%控除の特例を受ける課税仕入れである旨を分かるように記載して保存しておく必要があります。

帳簿記載事項について詳しくはこちらも参考にどうぞ。

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経過措置については、どう考えるかは人それぞれ違うと思いますが、このまま免税事業者としてやっていくか、課税事業者になるのか、または、法人化していくのかなど、検討してく余地がありそうです。

 

適格請求書(インボイス)がなくても仕入税額控除できる場合

インボイスの発行義務の免除は発行する側の話でした。

インボイス制度は仕入税額控除が受けられるかどうかというのが話のメインになります。

なので、仕入税額控除のために受け取る側がインボイスがなくてもいいケースも見ておきたいと思います。

インボイスがなくてもいいというのは、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認めれるということです。

 

以下の取引は帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められています。

1.インボイスの交付義務が免除されている取引(適格請求書(インボイス)の交付義務が免除されるケースの①、④、⑤の取引)

2.適格簡易請求書(適格請求書の記載事項を一部省略したもの)を満たす入場券等が、使用の際に回収される取引

3.古物営業、質屋または宅地建物取引業を営む事業者が適格請求書発行事業者でないものから、古物、質ものまたは建物を当該事業者の棚卸資産として取得する取引

4.適格請求書発行事業者でない者から再生資源または再生部品を棚卸資産として購入する取引

5.従業員等に支給する通常必要と認められる出張にかかる旅費、宿泊費、日当および通勤手当などに係る課税仕入れ

 

以下順番に解説します。

 

1.インボイスの交付義務が免除されている取引

適格請求書の交付義務が免除されるケース」で説明した①3万円未満の公共交通機関の利用、④3万円未満の自動販売機などの取引、⑤郵便切手を利用した郵便サービスです。

②と③がはいっていないのは、卸売業者や農協などが取引先へインボイスの発行が可能なためです。

 

2.適格簡易請求書(適格請求書の記載事項を一部省略したもの)を満たす入場券等が、使用の際に回収される取引

例えば、3万円以上の鉄道などの公共交通機関を利用した場合で、乗車券を受け取り、最後にその乗車券が回収されるような場合を想定すると分かりやすいと思います。

 

3.古物営業、質屋または宅地建物取引業を営む事業者が適格請求書発行事業者でないものから、古物、質物または建物を当該事業者の棚卸資産として取得する取引

一般の消費者から仕入を行う業種については、売上には消費税がかかって、仕入には消費税がかからない(仕入税額控除できない)となると、買取業者が不利になります。

なので、制度変更による不利益を緩和する目的でとられている措置と考えられますね。

 

4.適格請求書発行事業者でない者から再生資源または再生部品を棚卸資産として購入する取引

こちらもリサイクルショップなどをイメージすると分かりやすいと思いますが、3.と同じ理由による措置ですね。

 

5.従業員等に支給する通常必要と認められる出張にかかる旅費、宿泊費、日当および通勤手当などに係る課税仕入れ

課税仕入れの相手方が従業員になるので、インボイスを入手することが困難です。

そのため、救済措置として認められています。

 

まとめ

まとめます。

ポイント

・インボイスの発行は課税事業者が適格請求書発行事業者の登録をして可能になる。

・公共交通機関(3万円未満の取引)などでインボイスの発行が免除されているものがある。

・免税事業者はインボイスを発行できない。

・免税事業者には6年間の経過措置がある。(最初の3年間は80%、その後3年間50%)

・インボイスがなくても帳簿保存のみで仕入税額控除ができる取引もある。

 

以上、こんな感じです。

交付義務が免除されているものも含めて、帳簿保存のみで仕入税額控除が認められるケースもあることは覚えておくといいと思います。

また、免税事業者は、経過措置が6年間ありますが、インボイス制度が始まる前までには、方針を決めておきたいところですね!

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