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インボイス制度

インボイス制度における帳簿記載事項について網羅的に解説します!

光實
こんにちは、公認会計士・税理士の光實(みつざね)です。

こんな悩みを解決できる記事を用意しました!

 

記事前半ではインボイス制度と現行制度の違いについて、後半では免税事業者の経過措置から帳簿保存のみのケースまでを網羅的に解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!

 

適格請求書の帳簿記載事項とは?

最初に結論を言っておくと、帳簿記載事項は、現行制度(区分記載請求書等保存方式)もインボイス制度も基本的に同じです。

以下が帳簿記載事項です。

①課税仕入れの相手方の氏名又は名称

②課税仕入れを行った年月日

③課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産 の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)

④課税仕入れに係る支払対価の額

 

書類の交付を受ける事業者の氏名などを省略することができる適格簡易請求書も帳簿の記載事項は上と同じになります。

 

免税事業者から受け取った請求書の帳簿記載事項は?

ただ、免税事業者から受け取る請求書については、少し記載が異なるので、解説します。

インボイス制度が始まると、消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿と適格請求書の保存が必要になります。

インボイス制度のもとでは、免税事業者はこの適格請求書を発行できません。

ただ、それだとあまりにも免税事業者が不利益になるので、経過措置を認めています。

 

経過措置を適用適用している場合の帳簿の記載

免税事業者との取引について経過措置として、6年間一定割合の仕入税額控除を認めています。

具体的には、令和5年10月1日から3年間は80%控除可能とし、令和8年10月1日から3年間は50%控除を認めています。

この場合、帳簿へ先ほどの記載事項に追加で経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨を記載する必要があります。

 

経過措置における具体的な記載事項

記載事項については、画一的に決まっているわけではなく、経過措置の適用を受ける課税仕入れであることが分かれば大丈夫です。

例えば、個々の取引ごとに「80%控除対象」、「50%控除対象」、「免税事業者からの仕入れ」などの記載でもいいですし。

経過措置の対象になる取引に「※」などの目印を付しておいて、「※は80%控除対象」というように表示する方法も認められます。

要するに、見た人がちゃんとわかるようになっていればいいということですね。

 

帳簿のみの保存が認められいる場合の記載事項

インボイス制度では、仕入税額控除の要件として、帳簿と適格請求書の保存が原則ですが、一部例外的に帳簿保存のみで仕入税額控除が適用できるものがあります。

この場合も、帳簿への通常必要な記載事項に追加して記載が必要になります。

 

帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる取引

帳簿の記載のみで仕入税額控除が認めれる取引としては、以下があります。

適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送

② 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引

③ 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物の購入

④ 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物の取得

⑤ 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物の購入

⑥ 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源又は再生部品の購入

⑦ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等

⑧ 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストにより差し出されたものに限ります。)

従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤 手当)

引用:国税庁「消費税の仕入税額控除制度のおける適格請求書等保存方式に関するQ&A 問82

よく出る取引をピックアップすると、①3万円未満の公共交通機関(電車、バス、船など)を利用した取引や、⑨従業員へ支給する出張旅費や通勤手当などが入っています。

理由としては、どれも適格請求書を入手するのが難しい取引だからです。

詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にどうぞ。

適格請求書交付義務免除
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帳簿のみの保存にかかる具体的な記載方法

この場合、以下の帳簿への追加の記載が必要です。

1.帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨

2.仕入れの相手方の住所又は所在地(一定の者を除く。)

 

先ほどの①3万円未満の公共交通機関(電車、バス、船など)を利用した取引や、⑨従業員へ支給する出張旅費や通勤手当などの取引については、一定の者に含まれているので、仕入れの相手方の住所又は所在地の記載は必要ありません。

なので、「帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨」のみを追加で記載することになります。

具体的な記載事項としては、①は「3万円未満の鉄道料金」、⑨は「出張旅費特例」などの記載をしてどの仕入れに該当したかを明確にする必要があります。

これについても、どの仕入れに該当するものかが分かるようにしておけば、記載事項についての明確な決まりはありません。

一定の者についてさらに詳細を知りたい方は、「消費税の仕入税額控除制度のおける適格請求書等保存方式に関するQ&A 問88」が参考になります。

 

まとめ

まとめます。

ポイント

・基本的には、現行制度からインボイス制度になっても帳簿の記載事項は変わらない

・免税事業者との取引は、帳簿へ経過措置の適用を受ける課税仕入れ(80%控除対象など)である旨を追加で記載が必要

・帳簿の記載のみで仕入税額控除が認められる取引については、どの仕入れに該当(3万円未満の鉄道料金など)するか記載が必要

 

免税事業者への経過措置や、帳簿への記載のみで仕入税額控除がみとめられるなど特殊なケースでは、今までの取引より記載事項が増えることになるので、業務としては煩雑になります。

免税事業者との取引や、従業員の出張などが多い事業者については、インボイス制度が始まるタイミングで処理誤りが出る可能性があるので、事前に経理担当者とインボイス制度について話し合いをしておきましょう。

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