こんな悩みを解決できる記事を用意しました!
この記事で紹介する内容を知っておけば、相続が発生したときのご自身の相続の参考になると思います。
目次
遺産相続の平均はいくらなのか?
三菱UFJフィナンシャルグループが出している「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査」によると親から相続した財産額の全国平均額は3,272万円で中央値が1,600万円ということです。
中央値とはデータを大きい順に並べた時の真ん中に来る値のことです。
例えば相続した財産の額が、9,000万円、4,000万円、1500万円の3人がいた場合の中央値は4,000万円という感じです。
相続額は親の居住地によって不動産評価額の影響も受けるので結構変わってきます。
データによると一番高い関東地方だと平均値4,164万円、中央値2,500万円ですが、一番低い東北地方だと平均値2,312万円、中央値1,250万円と2倍近くの差がでています。
平均額はかなり高額な財産を引き継いでいる方も入っているため、中央値の方が実態にあっているかなという印象です。
また、少し古いデータですが、第一生命研究所が出している「中高年者の遺産相続に関する調査」によると、父親からの相続額の平均が778万円、母親からの相続額の平均が631万円という結果もでています。
なので、これらのデータを勘案すると、全国平均で1,000万円から2,000万円程度が遺産相続の目安になると思います。
相続財産の内容は?
では、相続財産の内訳はどういったものが多いのでしょう。
1位 不動産(48.1%)
2位 現預金(38.6%)
3位 有価証券(12.1%)
4位 その他資産(6.5%)
5位 借入金の額(▲5.3%)
(三菱UFJフィナンシャルグループ「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査」より抜粋 )
マイホームを持っている方が多いのでやはり不動産と貯金などの現預金が8割以上を占めているという結果になっています。
相続で注意したいのが、相続税が発生する場合の資金繰りです。
不動産評価が高く現金が少ない場合などには、注意しておきましょう。
法定相続人の平均人数は何人?
法定相続人というのは、簡単にいうと、亡くなった方の財産をもらえることが法律で決まっている人ですね。
この平均人数というのも参考になるので、どのくらいなのか見ておきたいと思います。
相続がおこっても、申告をしなくてもいい人もいるので、正確な数値をだすことは難しいですが、国税庁が出している「令和2年度の相続税の統計データ」が参考になります。
国税庁のデータによると相続税の申告をした被相続人(亡くなった人)の数が153,023人で、法定相続人(法律で定められた被相続人の財産を相続できる人)の数が424,943人となっています。
単純に割ってみると、2.78人となります。
よくある家族構成として、父、母、子供2人とした場合で父親が亡くなったケースを想定すると、法定相続人は母と子供2人の合計3人なので、感覚的にも妥当な感じですね。
相続が発生する年齢はいつぐらい?
相続が発生するパターンとしてよくあるのは自分の親が亡くなった時ですよね。
なので、平均寿命から考えてみましょう。
厚生労働省の出している、令和2年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.64歳、女性の平均寿命は87.74歳です。
ということは、そのお子さんの年齢層は50代~60代がメインになります。
平均寿命は毎年少しずつ延びているので、相続する世代もどんどん高齢化が進みそうです。
私の祖父はすでに亡くなっていますが、祖母はもうすぐ90歳に近づいています。
でもまだまだ元気です。
母は60代ですのでこの年齢層が多いというのも私の感覚としてはしっくりきます。
相続税を納める人はどのくらいいるのか?
相続税を納める人がどのくらいいるかというのも気になりますよね。
結論からいうと、相続税を納める人は多くありません。
相続税には基礎控除が設けられているので、遺産総額から基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引けます。
例えば、法定相続人が3人いると、4,800万円遺産総額から控除できます。
大抵の人は、この基礎控除額を超えないので、ほとんどの人は申告も納税も必要ありません。
国税庁の「令 和 2 年 分 相 続 税 の 申告事 績 の 概 要」によると、令和2年分の課税割合は8.8%です。
課税割合というのは、
「相続税の申告書を提出した被相続人(亡くなった人)÷被相続人(全体の死亡者数)」
で計算した割合です。
100人亡くなった方がいたら、そのうち9人弱が相続税を納める必要があるという感じです。
思ったより少ないですよね?
相続税の平均額はどのぐらい?
じゃあ、相続税の平均額は、どのくらいなのかというもの見ておきたいと思います。
相続税の申告書を提出した被相続人(亡くなった方)一人あたりの相続税額は令和2年分で1,737万円(国税庁の「令 和 2 年 分 相 続 税 の 申告事 績 の 概 要」より) でした。
なかなか多いなぁという印象です。
被相続人に対しての額なので、相続人が複数いれば、これを相続人で割り振るので、一人ずつの額はもっと少なくなります。
また、相続税を納める方は、基礎控除額を上回っている方なのでもともと財産の額が大きかったり、莫大な財産を相続している方も含まれているので、平均額も大きくなりやすいというのはあると思います。
親は子供へ相続財産を明らかにしない?
自分の親の財産がいくらかを正確に把握している人は少ないと思います。
まだ元気であれば特に、お金面で関わることも少ないです。
目に見える家や土地などの不動産ならある程度想定することはできますが、有価証券や貯金は目に見える所には中々ないので、分かりにくいですよね。
三菱UFJ信託銀行の実施した調査によると子どもに自身の財産の額を明らかにしていない人が52.5%という結果が出ていました。
理由として一番多かったのは、「子どもが相続財産をあてにするのは望ましくないため」とのことです。
私も子どもがいるので、確かにその気持ちも分かります。
ただ、相続で大変なのは、自分の親がもっている財産を漏らすことなく把握することです。
それで子どもに迷惑かけるのも本末転倒な感じがするので、どのくらいもっているのかは明らかにしないまでも、何をどこにもっているということぐらいは、ある程度コミュニケーションをとっておくのが、相続を円滑にするうえでは必要になってきますよ。
まとめ
今回もまとめておきます。
・遺産相続の平均は1,000万円~2,000万円程度が目安。
・相続財産の内訳は不動産と現預金で8割を占めている。
・法定相続人の平均は2.78人
・相続が発生する年齢は50代~60代がメイン
・相続税を納める人は亡くなった方のうち8.8%
・亡くなったか方一人あたりの相続税の平均は1,737万円
・子どもへ財産を明らかにしない人は5割を超えている。
これらの情報をもっているだけで、相続への意識は変わります。
相続で大変な思いをしないためにも、これを機に財産の把握など、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。