事業主の方:現金主義とか発生主義って言葉があるけど、わかっているようでちゃんとはわかんないなー。
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
・現金主義と発生主義についてざっくりと
公認会計士・税理士のみつざねが解説します。
結論から言うと、現金主義と発生主義は取引の認識時点に違いがあります。
現金主義とは
現金主義はその名の通り現金の入出金をベースに取引を認識します。
現金を支出したタイミングで費用を認識しますし、現金が入ってきたタイミングで収益を認識します。
ここでは飲食店を例にしてみたいと思います。
1.お客さんが飲食後の会計時に現金で支払った場合の仕訳
現金 10,000 | 売上 10,000 |
2.お客さんが飲食後の会計時にクレジットカードで決済した場合
①クレジットカード決済時
仕訳なし
②クレジット代金入金時の仕訳
現金 10,000 | 売上 10,000 |
現金主義の場合、現金が入ってきたタイミングで売上を計上するため、現金決済の時と、クレジットカード決済のときで売上の計上タイミングが変わってしまいます。
発生主義とは
発生主義は取引が発生したタイミングで取引を認識します。
1.お客さんが飲食後の会計時に現金で支払った場合の仕訳
現金 10,000 | 売上 10,000 |
2.お客さんが飲食後の会計時にクレジットカードで決済した場合
①クレジットカード決済時
未収入金 10,000 | 売上 10,000 |
②クレジットカード代金の入金時
現金 10,000 | 未収入金 10,000 |
発生主義の場合、取引の発生タイミングは同じため、現金決済の場合も、クレジットカード決済の場合も売上の計上時点は同じになります。
原則的な会計処理
今ままで現金主義と発生主義を説明しましたが、実は、実現主義というのもあります。
費用は原則として発生主義なんですが、収益はこの実現主義を原則としています。
実現主義は発生主義をもっと厳しくしたもので、発生しただけではだめで、ちゃんとサービスを提供して対価も確定した段階で取引が実現したと考えます。
例えば、お弁当屋さんなんかで、事前に予約注文を受けて、何日後かにお弁当を配達するケースがあると思います。
この場合、お弁当の注文を受けた段階で売上の計上をしてはだめで、ちゃんとお弁当を納品して、代金の徴収または請求金額が確定した段階で売上を計上します。
規模の小さい会社の処理
今まで、発生主義とか実現主義とかいろいろ説明しましたが、日々このような処理をしていくのは、規模の小さい会社だと大変です。
なので実務上の処理は、日々の処理は現金主義で処理を行い、決算月だけ、発生主義や実現主義に修正してやっているところも多いです。
もちろん、発生主義や実現主義で日々処理することで財務数値が分析指標としても有用になるので、できるにこしたことはないですよ。
まとめ
現金主義や発生主義、実現主義と説明しましたが、あまり細かいことは意識せずざっくりとしたイメージでいいと思います。
深く理解しようとすると疲れるだけですからね。
個人的に会計を理解する上で、ざっくり理解することは結構大事だと思ってます。