決算書を見ている人:貸借対照表の純資産がマイナスになってしまっているけど、これって債務超過ってこと?
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
・純資産のマイナスとは?
公認会計士・税理士のみつざねが解説します。
結論からいうと、純資産のマイナスは債務超過の状態です。
どういうときになってしまうかを解説していきます。
純資産って何?
純資産は資産から負債を引いた残りの事です。
式にするとこうなります。
純資産=資産ー負債
簡単に説明すると、資産は現金、預金、売掛金、建物などの固定資産があり、換金価値のあるものなどが含まれます。
負債は、借入金や買掛金、未払金などの支払うべき債務や返済を要するものなどが含まれます。
純資産は資産から負債を引いた残りものなので、正味の財産とも言えます。
純資産がマイナスとは?
純資産がマイナスという状況は、資産から負債を引いたらマイナスになってしまった状態です。
式にすると、こんな感じです。
資産 1,000-負債 2,000=純資産▲1,000
これは、換金価値のあるものより支払うべきものが多い状態のことで、債務超過と言います。
債務超過はどういうときになるの?
債務超過はどういうときに起きるかというと、借入が増えてきたときに起きやすいです。
借入をした時点では、負債が増えますが、現金も増えるので資産も増えます。
なので、マイナスにはなりません。
現金(資産) 100万円 = 借入金(負債) 100万円
でも現金は日々仕入れや経費として使いますから、つかった分売上で稼げなかった場合にはどんどん現金が減っていきます。
現金が減るということは資産が減るということです。
借入金は返済をしないと減りませんし、返済するスピード以上に現金の減りが早ければ、どんどん資産の方が少なくなります。
資産=負債だったのが、資産<負債になると純資産がマイナスになるので、債務超過に陥ります。
現金(資産) 10万円 < 借入金(負債) 70万円
債務超過の解消方法は?
債務超過になった場合どうすれば解消できるかですが。
いくつか方法があります。
1.経営状況を改善する
これにより売上から現金を稼げるようになれば、負債を増やすことなく、資産を増やせます。
2.債務を免除してもらう
債務免除することにより借入金がなくなるので、負債が減ります。
DES(デッドエクイティスワップ)といって債務を株式に転換する方法などもあります。
3.出資をしてもらう
株主として新たに出資をしてもらうことにより、資金調達をすれば、資産が増えますが負債は増えません。
まとめると債務超過を解消する方法は、負債を減らすか、資産を負債以上に増やすということです。
債務超過だと会社はつぶれる?
債務超過と聞くとなんかやばそうな会社だなと思うかもしれませんが、債務超過=すぐにつぶれるということではないです。
中小企業の場合によくあるのが役員借入金です。
役員借入金を返済するタイミングは貸した役員と会社の資金状況次第で調整できます。
なので、役員借入金が大きくて債務超過になっている会社はけっこうありますが、こういうケースではすぐにつぶれそうな会社という判断はできないです。
その他の業績などの情報も加味する必要があります。
まとめ
純資産がマイナス(債務超過)の状況が会社にとって健全な状況とは言えませんが、だからといってすぐにだめな会社ということではないです。
何が原因かを判断して改善方法を検討していくのがいいですね。